薬剤師・保健師なら衛生管理者資格を申請だけで取ることができます

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『衛生管理者』という資格を知ってますか?

わたしは医療現場にいた頃は全く知りませんでした。

なぜなら医療現場においてはあまり意味のない資格だからです。

ですが、他に医療関係者がいない、人数の多い職場では使用する可能性の高い資格でもあります。

薬剤師・保健師は受験なしで第一種衛生管理者免許を取ることができるので取らない理由はありません。

衛生管理者とは

衛生管理者は、労働安全衛生法において常時50人以上の事業場では1人以上(常時働いている人数によって変わります)必要となります。

労働安全衛生法において定められている、労働条件、労働環境の衛生的改善と疾病の予防処置等を担当し、事業場の衛生全般の管理をする者です。一定規模以上の事業場については、衛生管理者免許、医師、労働衛生コンサルタント等の免許、資格を有する者からの選任が義務付けられております。

公益社団法人労務管理教育センター』より

衛生管理者は以下のいずれかの資格を有する者の中から選任しなければならない(第12条、規則第10条)。

  • 衛生工学衛生管理者免許
  • 第一種衛生管理者免許
  • 第二種衛生管理者免許
  • 医師または歯科医師
  • 労働衛生コンサルタント(試験の区分は、コンサルタントとしての活動分野を制限するものではない)
  • その他厚生労働大臣の定める者
    教育職員免許法第4条の規定に基づく保健体育の免許所持者、保健体育・保健の教科の教諭免許をもって、学校教育法第1条に定める学校に常勤している教師
    学校教育法による大学・高等専門学校において保健体育を担当する常勤の教授・准教授・講師

農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、電気・ガス・水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業(いわゆる工業的職種)については、第二種衛生管理者免許保有者を選任できない(規則第7条1項3号)。

衛生管理者 Wikipedia』より

衛生管理者は大きい会社や工場では必ず一人以上必要になります。

医療現場でなく「週休二日の企業で働きたい」場合に役に立ちます。

企業によっては資格手当も出ます。

衛生管理者の免許取得

衛生管理者は第一種、第二種共に国家資格です。

免許交付要件

試験に合格することにより資格を取得することができます。

保健師、薬剤師など、申請のみで第一種衛生管理者免許を取得できる場合もあります。

(保健師は旧保健婦規則により都道府県知事の保健婦免許を受けた者は除きます)

労働安全衛生法に基づく第一種衛生管理者免許を受けることができる者は以下のようになっています。

  1. 第一種衛生管理者免許試験に合格した者
  2. 学校教育法による大学又は高等専門学校において、医学に関する課程を修めて卒業した者
  3. 学校教育法による大学において、保健衛生に関する学科を専攻して卒業した者で労働衛生に関する講座又は学科目を修めたもの
  4. その他厚生労働大臣が定める者(衛生管理者規程第2条で定められています。)

4の「その他厚生労働大臣が定める者」に保健師や薬剤師などが該当します。

その他厚生労働大臣が定める者
  • 保健師助産師看護師法第7条の規定により保健師免許を受けた者
    (同法第51条第3項の規定により当該免許を受けた者を除く。)
  • 医師法第11条第2号及び第3号に掲げる者
  • 歯科医師法第11条各号に掲げる者
  • 薬剤師法第2条の規定により薬剤師の免許を受けた者

※詳しい要件はこちらを参照→『労働安全衛生法に基づく免許の交付要件|東京労働局

免許の申請方法(薬剤師・保健師)

申請は住所地(住民票の登録のある場所)の都道府県労働局の安全課又は健康課(局によっては健康安全課)で行います。

本人確認が必要なので、申請者本人が必要書類を持参する必要があります。

住所地の労働局に行けない場合は、最寄りの労働局又は労働基準監督署で本人確認の手続きを行い、郵送での申請も可能です。

※私は労働局に行きましたが、知り合いは労働基準監督署に行ってその足で郵便局から書類を郵送したそうです。

主な必要書類
  • 免許申請書:
    労働局・労働基準監督署にある(その場で記入)。または厚生労働省のホームページからダウンロード
  • 写真1枚(縦30mm×横24mmふちなし)
  • 収入印紙 1,500円分
  • 免許証送付用切手 404円分(免許証送付用専用封筒が労働局・労働基準監督署にあり)
  • 資格を証明する書類(原本):
    保健師免許・薬剤師免許等の無試験で免許を交付できる資格を有することを証する書面
  • 本人確認証明書:
    申請書に記載した氏名・生年月日・住所が確認できる公的書面
    例)自動車運転免許証、住民票、パスポート、労働安全衛生法による免許証など
    (写真が無い場合は原則として2つ必要)
該当する場合
  • 労働安全衛生法による免許証を持っている場合は、労働安全衛生法による免許証
    氏名が変更になっている場合、紛失してしまっている場合には、別途書替、再交付の申請が必要

あくまで一般的な内容なので、申請時には住所地の労働局のサイトなどでご確認ください。

※参考 → 『労働安全衛生法関係免許を申請される皆様へ|厚生労働省

衛生管理者の仕事内容

衛生管理者の仕事内容は以下のようなものがあります。

新型コロナウイルスの流行でさらに重要度が増しているかと思います。

1、主に行なう業務

  • 健康に異常のある者の発見及び処置
  • 作業環境の衛生上の調査
  • 作業条件、施設等の衛生上の改善
  • 労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備
  • 衛生教育、健康相談その他労働者の健康保持に必要な事項
  • 労働者の負傷及び疾病、それによる死亡、欠勤及び移動に関する統計の作成
  • その事業の労働者が行なう作業が他の事業の労働者が行なう作業と同一の場所において行われる場合における衛生に関し必要な措置
  • その他衛生日誌の記載等職務上の記録の整備など

2、定期巡視

少なくとも毎週1回作業場を巡視し、設備、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときに、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じる。

「総括安全衛生管理者」 「安全管理者」 「衛生管理者」 「産業医」のあらまし/東京労働局

転職に関して

衛生管理者は50人以上の職場では必ず必要になるため就職には有利です。

化学系の会社で、衛生管理者をやってもらいたいという理由で薬剤師を募集していた求人も見たことがあります。

薬剤師は無条件ですぐに衛生管理者の資格を取れ、化学系の知識も持ってる人という解釈なのでしょう。

医療系資格を持っているとどうしても医療現場で働くことを考えがちですが、土日休みの企業への転職もしやすいかと思います。

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